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聞き上手とほめ上手
患者さんの心のつかみ方
株式会社 ロングアイランド
伊藤 純子
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私事ですが、以前子供の学習塾の体験について行ったことがあります。塾といっても、黒板に向かっていっせいに教えるのではなく、個々にやって来て自分のペースで学習します。
その間先生はやって来る子供ごとに、「遠足は楽しかった?」とか、「風邪はもう良くなったの?」「水泳のテストはどうだった?」とそれぞれの子供の状況を把握していて話しかけています。
子供たちも教室に来るなり、「先生あのね、お友達がね…。」とうれしそうに話し出します。また泣いている子がいると、なだめながら話を聞いて落ち着かせてやっています。ひとしきり話して気が済むと子供達は、勉強に熱中し始めました。
その様子を見ていて、私は子供をそこに通わせることにしました。私の子供もその先生が大好きになり、学校であったことをいつも先生に話しているようです。何よりも、そこでの宿題は絶対に忘れることがなく、自分から進んで行くようになったのです。
この先生は、とても話を聞くのが上手で、話させ上手です。
しゃがみこんで、子供の視線の高さに合わせて、楽しそうに話を聞きます。
しかも、とにかく、ほめ上手なのです。例えば、答えを間違えても、「ここまで全部あってるよ。すごいね。前より早くなったよ。ひとつ間違えたけど、最後まで、その調子で焦らずにやったら、絶対今度はできるから、がんばってね。」といった具合です。
そう言われると子供たちも、「よーし、今度はできるぞ。頑張ろう。」と意欲的になり、自信もつけて行くのです。
子供に限らず、大人でも同じことが言えるでしょう。自分の話を一生懸命聞いてくれる人に対しては、より多くのことを話すようになるし、好意的にもなって行くはずです。
また褒められることで、嬉しくなり自信もつくようになるのです。
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歯科医院でも、お年寄りがスタッフの方に話をしていたり、子供が幼稚園の話をしていることがありますよね。もしあなたが、それを疎ましく思ったり、目を見ず、何かをしながら話を適当に聞いているようなら、それは考えものです。“治療に関係ない、この忙しいのに”と思うかも知れませんが、それでは患者さんとコミュニケーションも図れませんし、医院に対する信頼感だって得ることができないのです。
ほんの2〜3言で良いのです。相手の話を目を見て、うなずいて、「そうですか。良かったですね。」「そう、今度見せてね。」と興味をもって受けとめてあげることが大切なのです。
また、ブラッシング指導の時などには、一方的に説明するのではなく、質問をして相手に話させ、肯定的に受け止め、良いことは褒めて頑張って磨こうという気持ちを起こさせることも大切です。
例えば「そうです。今の磨き方でとてもいいですよ。その調子で、右の奥歯ももう少し丁寧に磨いていけば、完璧です。頑張ってくださいね。」といった具合です。
こんな小さい事からも、患者さんは、治療に対する恐怖感や子供の歯医者さん嫌いを少しでも和らげることができ、安心感や信頼感につながるのです。
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挨拶は大切ですが、それだけでは、コミュニケーションは図れません。また、いくらすらすらと話すことができても、一方的では、相手はまだ不満があると思います。聞き上手になることで、相手も話す気持ちが起こり、聞いておきたかったことや、疑問も話すことができ、不安を解消することが出来るのです。しかも、相手の状況を把握できるのですから、相手に合った説明や指導が出来、納得がいく治療にもつながるという訳です。
“話し上手は、聞き上手”というではありませんか。
ぜひ、少し手を止めて話を聞く余裕をもってみてください。
ちなみに、“聞き上手と褒め上手”ということは、患者さんに対してのことではありません。もしあなたが先輩で、後輩のスタッフがいらっしゃるのでしたら、その後輩とのコミュニケーション、指導にも役立ててみてください。
きっと、良い人間関係が作れ、よい指導もできるようになるはずです。このことについては、次の機会の詳しくお話ししたいと思います。
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